Photo by Matt Winkelmeyer/Getty Images
7月から未だ終了の兆しが見えないSAG-AFTRA(映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟)のストライキ問題。ハリウッド作品のほとんどが撮影をストップしているというのが現状で、『デューン 砂の惑星 PART2』『クレイヴン・ザ・ハンター』を始めとした2023年公開予定だった作品も延期を余儀なくされている。
そんな苦しい状況の中、劇場の救世主として期待されているのが大人気シンガーソングライター、テイラー・スウィフトのコンサート映画『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』だ。
日本を含む約100ヵ国で本日10月13日(金)より公開された本作は、週末オープニング成績も特大級のものが期待されており、The Hollywood Reporterによると北米では1億ドルから1億2,500万ドル、海外では5,000万ドルから7,500万ドルとの予測で、全世界で最大2億ドル(約299億円)を初日から3日間で売り上げると予測されている。
コンサート映画の歴代記録を一瞬で塗り替える!?
コンサート映画というジャンルでの歴代成績を見てみると、北米で記録を保持しているのは『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』で北米興収7,301万ドルとなっている。しかもこれは最終成績なので、本作はこの数字を3日間で大幅に抜き去ることになる。
次に全世界で見てみると歴代トップ記録を保持しているのは『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』で、こちらの最終成績は全世界興収2億6,128万ドルとなっている。この数字にも本作は3日間で近づいてしまうと見られている。
つまり、名だたるアーティストの作品が2ヶ月以上にも及ぶ上映期間で積み上げた記録を本作はたったの3日間で抜き去ってしまう勢いなのだ。
異常なヒットの理由とは?

やはり大ヒットの理由として第一に考えられるのは彼女の絶大的な人気であることは間違いない。
テイラー・スウィフトはグラミー賞を12回受賞し、CDの総売上枚数は1.4億枚。全米アルバムチャートでは通算48回の首位を記録している。これは女性アーティストとしては、歴代最高の回数だ。そして、特筆すべきは最新アルバム『Midnights』の曲が全米チャートTOP10を独占したという快挙だ。これを成し遂げたアーティストは後にも先にも存在しない。以上のように多くの記録を打ち立てており、その人気は15年以上衰え知らずのものとなっている。
そして、今回の『THE ERA TOUR』はその長年のキャリアの集大成ともなるライブ。そのため、ワールドツアーのチケットは完売が続出しており、アーティストとしても歴代最高規模の売上になるとも言われている。なお現在も期間を空けながら全世界を敢行中で、日本では来年2月の開催を予定している。
ツアー凱旋中の上映となる本作は従来のコンサート映画とは大きく違う。コンサートチケットの取れなかったファンやライブに参加しまだ余韻の残っているファンなどの熱狂が大きく数字に表れている可能性が高い。そして、その熱狂に対する工夫が上映日程にも施されている。4週間の限定上映となっており、上映する曜日が木、金、土、日の週4回となっている。イベント感を演出するための斬新な公開設定だ。