A24、事業戦略をアート映画から「アクションと大規模IPプロジェクト」へ拡大か

情報筋がThe Wrapに語ったところによると、A24は作家主導のアート映画からアクションや既存IPに基づく映画へと重点を移す動きがあるとのことだ。

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A24、事業戦略をアート映画から「アクションと大規模IPプロジェクト」へ拡大か
A24、事業戦略をアート映画から「アクションと大規模IPプロジェクト」へ拡大か

Photo by Frazer Harrison/Getty Images

情報筋がThe Wrapに語ったところによると、A24は作家主導の戦略から、より商業的価値の高いアクション映画や既存IPに基づく商業映画へと重点を移す動きがあるとのことだ。

A24をよく知るエージェントによると、同社の買収担当重役ノア・サッコ氏はこの夏、新たな事業戦略の一環として、タレントエージェンシーを回り「アクションと大規模IPプロジェクト」を探していたという。 

昨年3月、マンハッタンを拠点とする未公開株式投資会社のStripesは、A24の10%弱を取得するために2億2,500万ドル(約335億円)を支払った。情報筋は、A24の明らかな方向転換はこの大規模な評価に対応し続けるためではないかと語っている。

よりリスクの高いアート系ドラマやジャンル映画に資金を投入するという同社のこれまでのビジョンは、多くの面で成功を収めてきた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は、興行収入1億ドルを超えた初のA24作品となり、今年のアカデミー賞主要6部門のうち5部門を受賞(作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞)。また、同じくA24の興行成績が高い『ザ・ホエール』が6部門目(主演男優賞)を受賞し、アカデミー賞史上初めてひとつのスタジオが主要6部門を独占した。

一方で、『WAVES ウェイブス』『グリーン・ナイト』『Beau Is Afraid』など複数の作品で大赤字を出している側面もある。「要するに、作家映画は儲からず、極めてリスクが高いということだ」とそのエージェントはThe Wrapに語っている。

また、別のA24に近い情報筋は、The Wrapに寄せた声明の中でA24の事業拡大に関するエージェントの説明に反論した。その情報筋によれば、スタジオは依然として作家主義的な映画に重点を置くが、より“間口を広げる”ことになるという。

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《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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