2025年9月12日の全米公開を控える『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が、米国の主要チケット販売プラットフォーム「Fandango」において、日本のアニメ映画として史上最高の初日先行販売枚数を記録したとアメリカの映画興行メディアBoxoffice Proが報じている。同シリーズの『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2021年)や『劇場版 呪術廻戦 0』(2022年)といった大ヒット作の記録を初日で上回る、極めて好調なスタートだという。
最終決戦を描く三部作の第一弾、高まるファンの期待が数字に
本作は、原作漫画のクライマックスである「無限城」での最終決戦を、三部作の長編劇場版として描くプロジェクトの第一弾だ。アニメーション制作は、これまでのシリーズ同様ufotableが担当する。鬼殺隊と鬼との最終決戦の火蓋が切られるという待望の展開が、ファンの高い期待を呼び、今回の記録的なチケット販売に繋がったと見られる。
この期待感は、特に25歳以下の男性層において顕著であり、彼らの強い支持が販売を牽引しているという。また、既に公開されている日本などの海外市場では興行収入が2億ドルに迫っており、その記録的成功が米国での関心をさらに高めているものと思われる。全米ではIMAXなどのPLF(プレミアムラージフォーマット)を含む大規模公開が予定されている。
9月の閑散期を救うタイトルとなるか
本作の北米配給は、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントと、ソニーグループ傘下の配信プラットフォームであるクランチロールが共同で行う。
奇しくも2025年9月の米国映画市場は、他にメガヒット級の作品が少なく、業界全体としては閑散期になるとの見方もある。その中で本作の力強いスタートは、市場の起爆剤となるかも注目されている。
Fandangoの執行副社長であるジェラミー・ハインライン氏は、「『無限城編』への圧倒的な反応は、アニメコミュニティが持つ影響力の真の証である」とコメント。「ファンが最高の体験を享受できるよう、アニメ作品を劇場という大スクリーンへ届けられることを誇りに思う」と述べ、ファンの熱量が劇場興行市場を動かす原動力となっていることを強調した。
この記録的な出足を受け、業界の注目はオープニング週末の興行成績に集まっている。米国の映画メディアDeadlineは、この勢いが続けばオープニング興行収入は2,000万ドルから2,900万ドルに達する可能性があると予測。前作『無限列車編』のオープニング記録(2,120万ドル)を上回ることも現実的な目標として射程に入っており、日本アニメの歴史を再び塗り替えるか期待が高まっている。