『The Royal Hotel』Courtesy of TIFF
9月7日から17日にかけて開催される第48回トロント国際映画祭（TIFF）に出品予定の60作品が発表された。
TIFFにはコンペティション部門はないが、英語圏の作品を中心にアジアやアフリカ、ヨーロッパの作品のワールドプレミア、北米プレミアなどのプレミア上映の場の役割を担う。高い批評性を売りにしている作品が多く、スペシャル・プレゼンテーション部門から一般観客による投票で観客賞（ピープルズチョイス賞／最高賞）が選出される。
今回公開されたのは、ワールドプレミア37本、インターナショナルプレミア7本、北米プレミア12本、カナダプレミア4本。ケイト・ウィンスレット主演／エレン・クラス監督の伝記映画『Lee』、クレイグ・ガレスピー監督の『Dumb Money』、エミリー・ブラント主演／デヴィッド・イェーツ監督の犯罪ドラマ『Pain Hustlers』、マイケル・ウィンターボトム監督のスリラー映画『Shoshana』などがワールドプレミア上映されることが決定した。
また、スペシャル・プレゼンテーション部門にて、日本からは是枝裕和監督の『怪物』が北米プレミア、そして今年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したジュスティーヌ・トリエ監督の『Anatomy Of A Fall』がカナダプレミアとして上映される。
一方で、現在進行中のハリウッドでのダブルストライキにより、米国の俳優たちが映画祭に参加するかどうかが不透明になっていることもあり、すべてのセレクションは変更される可能性がある。TIFFのキャメロン・ベイリーCEOは先週、SCREEN DAILYに対し、できるだけ多くのセレクションが参加できるよう「作品ごとに、人ごとに」話し合いを深めていると語った。
その渦中で、アナ・ケンドリック（『Woman Of The Hour』）、マイケル・キートン（『Knox Goes Away』）、クリス・パイン（『Poolman』）、イーサン・ホーク（『Wildcat』）といったSAG-AFTRA会員のハリウッドスターは、長編監督デビュー作をワールドプレミア上映する予定となっている。クリスティン・スコット・トーマスは、スカーレット・ヨハンソンとシエナ・ミラー主演の『North Star』で監督デビューを果たし、ヴィゴ・モーテンセンは2020年のTIFFセレクション『Falling』に続き、『The Dead Don't Hurt』で2度目の監督復帰を果たす。
そのほか、TIFF2022オープニング作品『スイマーズ: 希望を託して』を監督したサリー・エル・ホセイニ監督とジェームズ・フロイド監督の『Unicorns』、ジェマ・アータートン、ベン・バーンズ、イアン・マッケラン、レスリー・マンヴィル、マーチ・ストロングが出演するアナンド・タッカー監督のミステリー・コメディ『The Critic』、マヘリア・ベロ監督の『The End We Start From』などが選ばれた。
※7月31日更新
さらに、今年のトロント国際映画祭のオープニング作品にスタジオジブリ最新作の『君たちはどう生きるか』が上映されることが決定した。邦画がオープニング作品に選出されることは初めてのことである。
ギャラ・プレゼンテーションズ
国際的なスター俳優の主演作や今後の賞レースでの要注目作品が揃う。
『A Normal Family』／ホ・ジノ（韓国） ワールドプレミア
『Concrete Utopia』／オム・テファ（韓国） 北米プレミア
『Dumb Money』／クレイグ・ガレスピー（アメリカ） ワールドプレミア
『Fair Play』／クロエ・ドモント（アメリカ） インターナショナルプレミア
『Flora And Son』／ジョン・カーニー（アイルランド、アメリカ） インターナショナルプレミア
『Hate To Love: Nickelback』／リー・ブルックス（カナダ） ワールドプレミア
『Lee』／エレン・クラス（イギリス） ワールドプレミア
『NYAD』／エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ、ジミー・チン（アメリカ） インターナショナルプレミア
『Punjab ’95』／ハニー・トレハン（インド） ワールドプレミア
『Smugglers』／リュ・スンワン（韓国） 北米プレミア
『Solo』／ソフィー・デュピュイ（カナダ） ワールドプレミア
『The End We Start From』／マヘリア・ベロ（イギリス） ワールドプレミア
『The Movie Emperor』／ニン・ハオ（中国） ワールドプレミア
『The New Boy』／ワーウィック・ソーントン（オーストラリア） 北米プレミア
『The Royal Hotel』／キティ・グリーン（オーストラリア、イギリス） カナダプレミア
スペシャル・プレゼンテーション
高い評価を受ける長編映画のプレミア上映
『A Difficult Year』／エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ（フランス） インターナショナルプレミア
『American Fiction』／コード・ジェファーソン（アメリカ） ワールドプレミア
『Anatomy Of A Fall』／ジュスティーヌ・トリエ（フランス）カナダプレミア
『Close To You』／ドミニク・サヴェージ（カナダ、イギリス） ワールドプレミア
『Days Of Happiness』／クロエ・ロビショウ（カナダ）ワールドプレミア
『El Rapto』／ダニエラ・ゴッジ（アルゼンチン） 北米プレミア
『Ezra』／トニー・ゴールドウィン（アメリカ） ワールドプレミア
『Fingernails』／クリストス・ニコー（アメリカ） インターナショナルプレミア
『Four Daughters』／カウテール・ベン・ハニア（フランス、チュニジア、ドイツ、サウジアラビア） 北米プレミア
『His Three Daughters』／アザゼル・ジェイコブス（アメリカ） ワールドプレミア
『Hit Man』／リチャード・リンクレイター（アメリカ） 北米プレミア
『In Restless Dreams: The Music Of Paul Simon』／アレックス・ギブニー（アメリカ） ワールドプレミア
『Kidnapped』／マルコ・ベロッキオ（イタリア、フランス、ドイツ） 北米プレミア
『Knox Goes Away』／マイケル・キートン（アメリカ） ワールドプレミア
『La Chimera』／アリーチェ・ロルヴァケル（イタリア、フランス、スイス） 北米プレミア
『Last Summer』／カトリーヌ・ブレイヤ（フランス） 北米プレミア
『Les Indésirables』／ラジ・リ（フランス） ワールドプレミア
『Memory』／ミシェル・フランコ（アメリカ、メキシコ） 北米プレミア
『怪物』／是枝裕和（日本） 北米プレミア
『Mother Couch』／ニクラス・ラーション（アメリカ） ワールドプレミア
『Next Goal Wins』／タイカ・ワイティティ（アメリカ） ワールドプレミア
『North Star』／クリスティン・スコット・トーマス（イギリス） ワールドプレミア
『One Life』／ジェームズ・ホーズ（イギリス） ワールドプレミア
『Pain Hustlers』／デヴィッド・イェーツ（アメリカ） ワールドプレミア
『Poolman』／クリス・パイン（アメリカ） ワールドプレミア
『Reptile』／グラント・シンガー（アメリカ） ワールドプレミア
『Rustin』／ジョージ・C・ウルフ（アメリカ） インターナショナルプレミア
『Seven Veils』／アトム・エゴヤン（カナダ） ワールドプレミア
『Shoshana』／マイケル・ウィンターボトム（イギリス、イタリア） ワールドプレミア
『Sing Sing』／グレッグ・クウェダー（アメリカ） ワールドプレミア
『Swan Song』／チェルシー・マクマラン（カナダ） ワールドプレミア
『The Beast』／ベルトラン・ボネロ（フランス、カナダ） 北米プレミア
『The Burial』／マーガレット・ベッツ（アメリカ） ワールドプレミア
『The Convert』／リー・タマホリ（オーストラリア、ニュージーランド） ワールドプレミア
『The Critic』／アナンド・タッカー（イギリス） ワールドプレミア
『The Dead Don’t Hurt』／ヴィゴ・モーテンセン（アメリカ） ワールドプレミア
『The Holdovers』／アレクサンダー・ペイン（アメリカ） インターナショナルプレミア
『The Peasants』／ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン（ポーランド、セルビア、リトアニア） ワールドプレミア
『The Zone Of Interest』／ジョナサン・グレイザー（イギリス、ポーランド、アメリカ） カナダプレミア
『Together 99』／ルーカス・ムーディソン（スウェーデン、デンマーク） ワールドプレミア
『Unicorns』／サリー・エル・ホセイニ、ジェームズ・フロイド（イギリス、アメリカ、スウェーデン） ワールドプレミア
『Uproar』／ポール・ミドルディッチ、ハミッシュ・ベネット（ニュージーランド） ワールドプレミア
『Wicked Little Letters』／テア・シャロック（イギリス） ワールドプレミア
『Wildcat』／イーサン・ホーク（アメリカ） インターナショナルプレミア
『Woman Of The Hour』／アナ・ケンドリック（アメリカ） ワールドプレミア
