Amazon、インド政府とクリエイティブ・エコノミーを促進する契約を締結

Amazon Indiaは、インド政府の情報放送省との間で、同国のクリエイティブエコノミーの発展を目的とした協力協定を締結した。

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Amazon India - Bengaluru - WTC

Amazon Indiaは、インド政府の情報放送省との間で、同国のクリエイティブエコノミーの発展を目的とした協力協定を締結した。

水曜日にニューデリーのナショナル・メディア・センターで、インドの情報放送・青年問題・スポーツ担当大臣のアヌラグ・タクール氏、Amazon Indiaの公共政策担当VPであるチェタン・クリシュナスワミ氏、プライム・ビデオのアジア太平洋担当VPのガウラヴ・ガンジー氏が出席して署名した。本協業の一環としてAmazonと同省は、インドにおけるクリエイティブな才能を促進するための経路を構築し、映画・テレビ関連機関の能力を高め、インド生まれのクリエイティブコンテンツを世界的に展開することを支援する。

Varietyによると、Amazonが運営するプライム・ビデオとminiTVは、インド映画テレビ学院とサタジット・レイ映画テレビ学院の学生にインターンシップや奨学金を提供することに取り組んでいくとのことだ。また、インド独立75周年を記念して、NFDC、国営放送Doordarshan、インド国際映画祭(IFFI)の代表的なコンテンツをPrime VideoとminiTVで紹介。さらに、さまざまな映画・テレビ教育機関の学生を対象としたスキルベースのマスタークラスや、IFFIの傘下で毎年行われる才能強化プログラム「75 Creative Minds of Tomorrow」では、同省が選考した75人の若く才能あるアーティストを選抜し、指導を行う。そしてインド国立映画開発公社(NFDC)とAmazonのグローバルデータベース「IMDb」が協力し、インドのクリエイティブな才能を発見できるよう、彼らのプロフィールやスキルセットをプラットフォーム上に掲載することでその発見を支援する。

また、Amazon.in(インドのAmazonECサイト)は、インドの伝統を反映したジャンルの書籍や雑誌を促進するために、同省の出版部門からストアフロント機能をまとめる予定。Amazon MusicやAlexaを通じて、インドの国営ラジオ放送であるAll India Radioを広める計画もある。

これまでにもインド政府とAmazonは多方面で深い関係性を築いてきたという。映像コンテンツでは、1940年代と50年代を舞台にインドの成長期の苦悩と同国のヒンディー語映画産業の隆盛を描く時代劇シリーズの「Jubilee(原題)」は、プライム・ビデオで4月7日から配信される。一方で、2021年にAmazon Indiaはオリジナルシリーズ「Tandav(原題)」の一部が与党のメンバーを不快にさせたとして、謝罪しなければならなかったこともあった。インドのストリーミング分野は、政府が公表した「デジタルメディアの倫理規範」に基づいて運営されており、自主規制されている。

タクール氏は「このパートナーシップは、インド映画テレビ学院とサタジット・レイ映画テレビ学院の学生に対する奨学金、インターンシップ、マスタークラス、その他の機会の提供を通じて産学連携を強化し、インドの名門映画大学を卒業した才能あるアーティストの苦悩を手助けするのに役立つだろう」と述べている。

また、プライム・ビデオのガンジー氏は「私たちの豊かな文化的多様性は、クリエイティブな経済を繁栄させ、国際的にインドのソフトパワーをさらに高めるという、計り知れない可能性を秘めている」「同省との協力により、産業の成長を刺激する」と述べた。

《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。