全米脚本家組合は、スタジオやストリーマーと共に、進化するテクノロジーに対する業界のアプローチについて話し合っている。
The Hollywood Reporterによると、同組合は今回の交渉において、AIで書かれた作品やAIでリライトされた作品を契約の対象外とすることや、AIによって作成された著作物が著者クレジットの対象となることを排除したいと考えているとのことだ。現地時間3月20日(月)から、組合は映画・テレビ製作者同盟(AMPTP)と最新の映画・テレビ協定の交渉を、シャーマン・オークスにあるAMPTPの本部で行っている。ChatGPTのようなAIチャットボットが急速に台頭する中、賃金水準の引き上げや長編作家の契約変更といった従来からの事項に加えて、この新テクノロジーの規制を議題として挙げている。
同組合は、「注意すべきは、AIソフトは何も生み出さず、与えられたものの再利用を生成するのみだ」とし、「著作権で保護されたコンテンツとパブリックドメインのコンテンツの両方を与えられた場合、その2つを区別することは難しい」と述べ、「盗作はAIプロセスの特徴である」と付け加えた。
2022年11月にOpen AI社の製品「ChatGPT」の無料プロトタイプが公開され、今業界内で激しい議論が巻き起こっている。この技術は、短い脚本を作成し、ピッチ、アウトライン、ログライン、一般的なアイデアの生成において、限定的ではあるが作家を支援することができる。今年初めにThe Hollywood Reporterの取材に応じた作家たちは、現在の形のテクノロジーは彼らの仕事に大きな脅威を与えるものではないと述べていた。
米国著作権局は今のところ、人工知能によって作られた作品を保護しようとする試みに抵抗している。それでも、著作権・商標訴訟の専門家であるジョエル・フェルドマン氏は今年初め、The Hollywood Reporterに対し「もしあなたが自分の好きな25曲をAIマシンに送り込み、それが今まで聞いたことのない新しい作品を生み出したとしたら、選んだあなたの著作物であるという主張は確かにある 」とコメントした。
今回の議論に関しては、4月1日まで協議を続け、その後短い休憩を挟み、組合の現行契約が切れる5月1日までに協議を継続する予定とのことだ。