Amazonは12月6日、米国の「Amazon Prime Video」内の有料チャンネルサービス「Prime Video Channels」において、「HBO Max」の提供を再開したと発表した。
これにより、米国のプライム会員は月額14.99ドル(約2,000円※記事執筆時レート)で同チャンネルを追加契約でき、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)が抱える約15,000時間に及ぶプレミアムコンテンツへのアクセスが可能となる。かつて一度提供が終了していたHBO Maxが、再びAmazonのプラットフォームに戻ってきた形だ。
月額14.99ドルで15,000時間のプレミアムコンテンツを提供
今回の再提携により、HBO Maxは再びPrime Videoのエコシステムに統合される。加入者は、追加のアプリをダウンロードすることなく、Prime Videoのインターフェース上で直接HBO Maxのコンテンツを視聴可能となる。
提供されるコンテンツは、HBO、ワーナー・ブラザース、DC、Maxオリジナル作品など、WBD傘下のネットワークから厳選された約15,000時間分の作品群だ。これには、「ゲーム・オブ・スローンズ」のようなHBOの代表的なシリーズから、最新のブロックバスター映画、ドキュメンタリー、スペシャル番組まで、全年齢層に向けた多様なジャンルが含まれる。
両社幹部が語る「顧客第一主義」と協業の意義
今回の合意について、Amazon Prime VideoのバイスプレジデントであるCem Sibay氏は、「日常の視聴体験において、最高かつ幅広いプレミアムコンテンツの選択肢を顧客に提供するよう努めている」とコメント。「Prime Videoにとって記録的な一年となった今、HBO Maxが再び加わることで、顧客はさらに多くの受賞歴あるエンターテインメントや人気作品を容易に追加できるようになる」と、プラットフォームとしての価値向上を強調した。
一方、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのグローバルストリーミング&ゲーム部門CEO兼プレジデント、JB Perrette氏も、「我々の共通の目標は、素晴らしいコンテンツで顧客を喜ばせ、加入者に最高のサービスを提供するために協力し、革新を続けることだ」と述べ、両社のパートナーシップがユーザーへの提供価値最大化に向けたものであることを示唆している。
プラットフォーム統合によるユーザー体験(UX)の向上
ビジネス的な観点から注目すべきは、SVOD(定額制動画配信)市場における「バンドル化」と「プラットフォーム集約」の動きだ。
ユーザーにとっての最大のメリットは、ケーブルテレビの契約が不要であることはもちろん、Prime Video以外のアプリを行き来する必要がない点にある。加入手続きから視聴、解約に至るまで、すべてAmazonのアカウントとプラットフォーム上で完結するため、視聴へのハードルが大幅に下がる。
ストリーミングサービスの乱立により、ユーザーが複数のアプリ管理に疲弊する「サブスクリプション疲れ」が指摘される中、主要プラットフォームであるAmazonへの再統合は、HBO Max(ワーナー・ブラザース・ディスカバリー)にとって顧客接点の拡大を、Amazonにとってはコンテンツラインナップの強化によるリテンション向上を意味する。双方にとって合理的な戦略的提携と言えるだろう。
日本では、2020年12月末までAmazonプライム・ビデオ内でいくつかのHBO作品が鑑賞できたが、配信終了後(※)はU-NEXTやスターチャンネルを中心に作品が配信される形となっており、HBO Maxは未だ未上陸。今後日本での配信がどうなるかについては、まだ明らかになっていない。
(※)いくつかの作品はレンタルでの都度課金視聴は可能。

