「ひろしまアニメーションシーズン2026」開催決定。コンペ・アーティスト・レジデンスの公募も開始

ひろしま国際平和文化祭実行委員会は、2026年8月19日から23日の5日間、広島市にて「ひろしまアニメーションシーズン 2026（HAS 2026）」を開催することを発表した。これに伴い、12月1日よりコンペティション部門およびアーティスト・イン・レジデンス（H-AIR）の公募も開始された。

日本唯一の米国アカデミー賞公認映画祭、テーマは「風」

「ひろしまアニメーションシーズン」は、世界4大アニメーション映画祭の一つとして知られた「広島国際アニメーションフェスティバル」のレガシーを継承し、2022年に装いを新たに再始動した国際映画祭だ。2年に1度のビエンナーレ形式で開催され、今回の特集テーマは、2022年の「水」、2024年の「土」に続き「風」に決定した。

本映画祭は、アニメーション映画祭として日本で唯一の米国アカデミー賞公認フェスティバルであり、短編コンペティションのグランプリ受賞作品は、米国アカデミー賞短編アニメーション部門への応募資格を獲得する。長編、テレビ、ウェブメディアなど、商業・非商業の枠を超え、古今東西のアニメーションを広島から世界へ発信する。

4部門でコンペ作品募集開始、スイスの巨匠が審査員に就任

映画祭の中核となるコンペティション部門は、2025年12月1日から2026年4月12日まで作品を募集する。募集カテゴリーは以下の4部門。

• 短編コンペティション

• 長編コンペティション

• 環太平洋・アジアユース

• 日本依頼作品

審査員には、HAS 2022でグランプリを獲得したスイスのアニメーション界の巨匠、ジョルジュ・シュヴィッツゲーベル氏の就任が決定した。また、選考委員としてアニメーション作家の山村浩二、折笠良、アニメーション研究者の新井佑季の3名が務める。日本を含む環太平洋・アジア圏の才能発掘と、世界の最新潮流を捉えるセレクションを目指す。

滞在制作「H-AIR」も始動、産業と文化の接続点へ

コンペティションと同時に、広島での滞在制作プログラム「第3回ひろしまアーティスト・イン・レジデンス（H-AIR）」の募集も開始された。世界から選出された3名のアーティストまたは専門家を約80日間広島市に招聘し、滞在期間中はワークショップなども開催される。過去の参加者が制作した作品が国際的な映画祭でグランプリを受賞するなど、高い成果を上げているプログラムであり、応募締切は2026年1月31日までとなっている。

アーティスティック・ディレクターの山村浩二氏は、開催にあたり「進化する技術や社会の影響を受けながら変容していく新しいアニメーションと、伝統を接続し、世代を跨いだ緩やかな交流の場となるよう準備を進めている」とコメントしている。また、土居伸彰プロデューサーは「『いま』を作り上げてきた歴史の蓄積と広がりにも目を向ける」とし、一過性のイベントではなく永続する文化としてアニメーションを捉える姿勢を強調した。