元東映・紀伊宗之率いるK2 Picturesと台湾の映像支援組織TAICCAがMOU締結――日台で国際競争力ある作品開発へ

K2 PicturesとTAICCAが協力し、日台の映像制作や市場拡大を目指すMOUを締結した。

グローバル マーケット&映画祭
左からK2 Pictures代表取締役CEO・紀伊宗之氏、TAICCA・胡婷俐副院長
左からK2 Pictures代表取締役CEO・紀伊宗之氏、TAICCA・胡婷俐副院長

株式会社 K2 Picturesは11月5日、台湾の独立行政法人「台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー (TAICCA)」と、国際的な競争力を備えた映像作品を共同で開発するための協力体制を築くべく、MOU(覚書)を締結した。締結は、台湾で開催中の国際コンテンツマーケット「2025 台湾クリエイティブコンテンツフェスタ (2025TCCF)」の場で行われた。


K2 Picturesの制作・ファイナンス力とTAICCAの国際ネットワークが融合

K2 Picturesは2023年8月に事業を開始した映画会社。「日本映画の新しい生態系をつくる」ことを掲げ、昨年5月のカンヌ国際映画祭期間中には映画製作ファンド「K2P Film Fund I」の立ち上げを発表。世界に向けた制作・ファイナンス体制の強化を一歩踏み出している。


一方、TAICCAは2019年に台湾・文化部のもとに創設された独立行政法人であり、台湾の文化コンテンツ産業を支援している。映像分野における国際協力と海外進出を強力に推進しており、主催するTCCFはアジアのコンテンツ産業における重要な見本市として位置付けられている。


日台の連携強化、国際市場見据えた戦略的協力

今回のMOU締結は、日本と台湾の共同制作体制を強化し、国際的な競争力を持つ映像作品の開発を目的としている。発表は2025 TCCFの会期2日目、TAICCAの胡婷俐副院長、K2 PicturesのCEO紀伊宗之氏、そして国内外の業界関係者らが見守る中で行われた。

今後、双方は映像作品への出資、共同制作、業界の発展推進などで協力する。あわせて、長期的な協力メカニズムの整備や、両国によるコンテンツ制作、資金の運用、市場開拓といった互恵的な関係発展についても検討を進めることとなる。

両代表が語る期待、アジアの映像産業チェーン強化へ

MOU締結に際し、両代表は以下のようにコメントしている。

TAICCAの王時思理事長は、「台湾と日本にはクリエイティブなパワーと市場の特性で共通する点も多い。今回の K2 Picturesとの協力を通じて、台日のチームが資金や技術、人材といった面で互いに刺激し合い、ともに世界を感動させるような素晴らしい物語を制作し、そして台湾のクリエイティビティをより多くの人に向けて発信していきたい」と期待を寄せた。

K2 Picturesの紀伊宗之CEOは、「TAICCAとのMOU 締結は非常に光栄なことであり、台湾の優秀な人材と手を取り最高のクオリティの作品を作っていきたい」と述べた。

双方は今後、日台の映像産業チェーンのつながりをさらに強化し、クリエイティビティと市場性を兼ね備えた優れたコンテンツを創り上げていく方針だ。

《Branc編集部》

関連タグ

編集部おすすめの記事