OpenAIがアーティストのリーク・抗議を受け、動画生成AIモデル「Sora」へのアクセスを停止

「Sora」のテスターに参加したグループが、AIモデルの宣伝にアーティストが利用されていると主張。

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OpenAIがアーティストのリーク・抗議を受け、動画生成AIモデル「Sora」へのアクセスを停止
UnsplashのSolen Feyissaが撮影した写真 OpenAIがアーティストのリーク・抗議を受け、動画生成AIモデル「Sora」へのアクセスを停止

Chat GPTを生み出したOpenAIが、アーティストグループのリークと抗議を受け、動画生成ツール「Sora」へのアクセスを停止したことが明らかとなった。

2024年2月にOpenAIは、テキストから映像を生成するAIモデル「Sora」を発表し、簡単なプロンプト(指示)からでも、細部まで描き込まれたシーンや複雑なカメラワークを再現できる性能を披露した。engadgetによると、同社は「Sora」のフィードバックを得るために、約300人のビジュアルアーティストと映画制作者に「Sora」へのアクセスを許可したという。

アーティストがフィードバックの代わりにアルファ版をリーク

ところが、11月26日にアーティストグループはフィードバックの代わりに、AIコミュニティ・プラットフォームHugging Faceに「Sora」のアルファ版をリークした。彼らは、Hugging Faceに投稿した「親愛なるAI企業の支配者たちへ」とOpenAIに宛てた声明で、同社にクリエイティブパートナーとして協力を約束されたが、実際には「Sora」がアーティストにとって有用なツールであることを世界に伝えるために、自分たちが利用されているのではないかと感じていると主張。「創造的な表現ではなく、Soraは宣伝と広告に重点を置いている」と非難している。OpenAIは、アルファ版のリークから3時間後に「Sora」へのアクセスを停止した。

アーティストは無償でアルファ版の使用に参加

Varietyによると、同グループは、OpenAIの評価額が1,500億ドル(約23兆円)に達したにもかかわらず、数百人のアーティストが、「Sora」のバグテストやフィードバックなどを無償で行っていることにも言及した。グループは、AI技術を芸術のツールとして使用することに反対しているわけではないと立場を示しつつも、「OpenAIが、よりオープンかつアーティストに友好的になり、宣伝を超えて芸術をサポートすることを期待している」と訴えた。

OpenAIの広報担当者であるニコ・フェリックス氏はアーティストグループの抗議に対し、「アルファ版に参加した何百人ものアーティストが Soraの開発を形作り、新機能や安全策の優先順位付けに貢献しました。参加は任意で、フィードバックの提供やツールの使用義務はありません」と反論している。

Meta社も動画生成AIモデルを開発中

OpenAIは、トライベッカ映画祭の「Sora短編映画プログラム」を通じて、5人の映画監督にAI生成のオリジナル短編映画の制作を依頼し、資金も提供している。それらの短編は、6月に開催された同映画祭で上映された。

OpenAIの他にも、今秋にMeta社がテキストプロンプトに基づき、AI生成による同期オーディオ付きで、最長16秒の動画を制作できる新しい生成AIツール「Movie Gen」を発表した。同社はフィードバックを集めるためのパイロットプログラムの一環として、ホラー映画スタジオのブラムハウスなどと提携して「Movie Gen」の実験を行っており、2025年にInstagramとFacebookで展開を開始する予定だ。

「Sora」や「Movie Gen」が一般に公開されれば、ますますAIがクリエイティブ業界に与える影響が拡大していきそうだ。

《Hollywood》
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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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