SAG-AFTRAがインティマシー・コーディネーターのガイドラインを更新、セックスシーンを公に語るには俳優の同意が必要に

映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)は、「インティマシー・コーディネーターの使用に関する基準とプロトコル」の最新版を発表した。

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SAG-AFTRAがインティマシー・コーディネーターのガイドラインを更新、セックスシーンを公に語るには俳優の同意が必要に
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映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)は、インティマシー・コーディネーターの「インティマシー・コーディネーターの使用に関する基準とプロトコル」の最新版を発表した。

インティマシー・コーディネーターは、ヌードや擬似セックス、その他の性的なシーンにおける動作のコーチであり、俳優と制作側の連絡役を務め、寄り添う役割がある(※1)。SAG-AFTRAでは2020年に業界初の「インティマシー・コーディネーターの使用に関する基準とプロトコル」を発表。2022年にはインティマシー・コーディネーターのトレーニングプログラムを導入し、現在77名が登録名簿に登録している。しかし、インティマシー・コーディネーターを資格として独自に認定しているわけではない。

今回発表された最新版のガイドラインによって、インティマシー・コーディネーターは親密なシーンの詳細を公に共有する場合、俳優の許可を得なければならなくなった。(※2)Deadlineによると「これを怠ると、調査後にSAG-AFTRAの認定インティマシー・コーディネーターの登録から抹消される可能性がある」とのことだ。また、SAG-AFTRAの広報担当者はDeadlineの取材に対し、「インティマシー・コーディネーターは、親密なシーンで働くメンバーの保護を確実にするため、あらゆる撮影現場において極めて重要なリソースです」「メンバーはインティマシー・コーディネーターと関わることで、安全、快適、そして自信を感じなければなりません」とコメントしている。

さらに、この新しいガイドラインは、インティマシー・コーディネーターのクリスティーナ・アルホナが映画『Miller's Girl(原題)』で俳優のジェナ・オルテガとマーティン・フリーマンと仕事をしたことについて「Daily Mailのバイラルインタビューに答えた数日後に発表されたとIndie Wireを含むいくつかの記事で報じられている。1月26日より全米で公開されている本作は、教師と才能ある生徒が親密になっていく物語。共演する2人の年が31歳差ということで不快に思う視聴者も多かったようだ。アルホナはインタビューで「全体を通じて多くの人々がジェナが安心できているかどうか確認していました。彼女は決意が強く、自分のやりたいことに確信を持っていました」など撮影時の裏話を語っている。

※1 参照:SAG-AFTRA「Standards and Protocols」(「What is an intimacy coordinator?」)
※2 参照:SAG-AFTRA「Standards and Protocols」(「Recommended Standards and Protocols for the Use of Intimacy Coordinators」の「Additional Requirements」)

《伊藤万弥乃》
伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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