ディズニーやライオンズゲートほか大手スタジオ、イーロン・マスク氏の反ユダヤ的発言を受けXから広告を一時撤退

米国で、『ハンガー・ゲーム0』(ライオンズゲート)、『ウィッシュ』(ディズニー)宣伝の最中に発生。

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イーロン・マスク
Photo by Kirsty Wigglesworth - WPA Pool/Getty Images イーロン・マスク

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ソーシャルメディア「X」(旧Twitter)で会長を務めるイーロン・マスク氏の反ユダヤ的な発言を受け、ディズニーやライオンズゲートなど大手スタジオがXへの広告掲載を一時停止した。

IndieWireによると、11月3週目の初めにマスク氏は、あるユーザーがXに投稿した「ユダヤ系の人々が白人に対して憎悪を抱いている」といった内容のコメントを再投稿し、「あなたは真実を述べている」と返信。反ユダヤ主義的な発言を支持したことで大きな物議を醸している。

そのマスク氏のコメントを受け、11月17日(金)にライオンズゲートの広報担当者が、「イーロン・マスク氏による最近の反ユダヤ主義的なツイートを受け、Xにおける広告掲載を一時停止しました」と発表。その同日にディズニーとNBCユニバーサル、パラマウント、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーも同様の措置を取り、ワーナーの広報担当者も、「当社はXから広告掲載を一時停止しました」との声明で後に続いた。しかし、Xから一時的な広告撤退を発表した大手スタジオは、直接的にマスク氏の発言を非難するコメントは出していない。現時点で、ソニー・ピクチャーズも同じ形で対処しているという。

Varietyによると、大手スタジオによるXからの広告取り下げは、ディズニーが11月22日(水)に全米公開を予定している新作アニメーション映画『ウィッシュ』(日本公開は12月15日)、ライオンズゲートが全米公開中の『ハンガー・ゲーム0』(日本公開は12月22日)を宣伝している最中に起きた。

大手スタジオが対策を講じる前、すでにAppleやIBMなどの大手IT企業もXに関する支出を中断。16日(木)にIBMの広報担当者は、「当社はヘイトスピーチや差別を許さず、このまったくもって容認できない事態を調査するため、Xへの広告掲載を即座に停止しました」と述べた。

16日(木)にはXで最高経営責任者(CEO)を務めるリンダ・ヤッカリーノ氏が、「反ユダヤ主義や差別と闘うための我が社の努力は極めて明確です。世界のどこにも反ユダヤ主義の居場所はありませんし、それは醜く間違っており、完全に止めなければなりません」と、Xの立ち場を釈明。ところが、その2日後にマスク氏は大手スタジオやIT大企業の動きに対し、「最大手の広告主の多くは、言論の自由を侵害する最大の抑圧者だ」と揶揄するコメントを投稿した。

現時点では、一時停止となる広告の数や、Xが被る広告費の損害などの情報は明かされていない。しかし、大手優良広告主の相次ぐ一時的な撤退により、そのダメージは甚大なものになると予想される。

《Hollywood》
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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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