Letterboxd はテクノロジー企業幹部のマシュー・ブキャナン氏とカール・フォン・ランドウ氏により、2011年に設立されたプラットフォーム。映画愛好家だけでなく映画製作者の間でも人気が高く、同プラットフォームを使用して映画をレビュー・推奨したり、お気に入りの作品や自身のリストを共有したりすることも可能で、ユーザーは自身が観賞した作品をトラッキングし、他の映画ファンと一緒に議論したりフォローし合ったりすることもできる。
過去5年間で大きな成長を遂げた同プラットフォームは、最近200カ国以上で会員数が1,000万人を超え、2021年の加入メンバーは2020年の180万人から410万人に増加したとのこと。ブキャナン氏は過去にDeadlineのインタビューで、Letterboxdが2019年以降に利益を上げているのは、共通の興味を中心にオンラインで繋がりを求めている18歳から24歳の若い映画ファンの注目を集めたことも一因だと語っていた。「Tinyとの提携は、我々にとって大きな飛躍を意味します。Tinyの素晴らしい実績は、繁栄を続けるデザインコミュニティDribbbleの成長を促進させたことをはじめ、これまでに成功を収めてきた基本的な要素を変えることなく、我社のようなビジネスを育成し、成長させる彼らの能力を物語っています。売却は我々のコミュニティにとって大きな勝利であり、Letterboxd を特別なものにするDNAを犠牲にすることなく、追加のリソースでその未来を強固にすることができると考えています」
Letterboxdは、インディーズ配給会社とタッグを組んで映画を発表するほか、Netflixや映画芸術科学アカデミーと提携したプロジェクトにも取り組んでおり、デジタル映画マガジンやポッドキャスト番組も運営している。
Tinyの共同創設者であるアンドリュー・ウィルキンソン氏は、オンラインで映画を発見・議論したい人にとってLetterboxdを究極の目的地にすることが目的だとし、「観賞する作品がなくなってきたとしたら、それはまだLetterboxdを使っていないからであり、優れた発見の可能性は大きなチャンスだと信じています」と述べた。
映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)のストライキでは、同組合と暫定合意に達したインディペンデント映画の製作が可能になるなど、にわかにインディペンデント映画界が注目を集めたこともあり、Letterboxdの株式売却によるTinyとの提携はタイムリーだと言えそうだ。