米マテル社、映画『バービー』関連の2023年総取扱高が180億円超えの見込み

映画の成功により、マテルの玩具を基にした実写版映画14本が開発中。今後の作品にも映画『バービー』のテンプレートが活かせそうとのこと。

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米玩具メーカーのマテル社が、映画『バービー』と直接関連する玩具やコンシューマー製品の2023年総取扱高が、1億2,500万ドル(約180億円)以上になると見込んでいることが分かった。

The Hollywood Reporterによると、『バービー』は全世界で14億ドル(約2,047億円)近くの興行収入を生み出し、2023年で最高の数字を叩き出した映画となった。その恩恵は大きく、9月7日(木)に開催されたゴールドマン・サックスのテック・カンファレンス「Communacopia and Technology conference」で、マテル社のCFOアンソニー・ディシルベストロ氏が、映画の成功により2024年以降も継続的な利益が期待されていると述べた。

マテル社のCEOイノン・クライツ氏は本作の成功を受け、マテル社の玩具を基にした映画の企画が続々と立ち上がっていることに言及。ミニカー・ブランド「ホットウィール」の実写版映画やスカイダンスが製作するミニカー「マッチボックス」の映画版、宇宙飛行士のフィギュア、マット・メイソンを主人公にトム・ハンクスが主演する映画、少女のフィギュア、ポリー・ポケットを主人公に描く映画など、新作実写版映画14本が開発中だと明かしている。


新プロジェクトについてクライツ氏は、「映画『バービー』の周りで起こったことは、我々のブランドが持つ価値や魅力、文化的な共鳴を真に理解するためのテンプレート、そしてケーススタディであり、機会でもあったと考えています。そして重要な点は、クリエイティブかつ商業的な側面でプロジェクトを実行する我々の能力であり、このようなプロジェクトがもっと増えることを望んでいますし、期待もしています。新企画が『バービー』のような大成功を収めるとは言いませんが、同じアプローチと同じ機会、同じ資本主義的な方法論が、今回のケースで非常に役に立ったと考えています」と発言した。

Deadlineによると、実写版映画のほかにも、米NBC局のコンピティション番組「Hot Wheels: Ultimate Challenge(原題)」や、米FOX局のゲーム番組「Pictionary(原題)」などのテレビ番組が製作されている。拡大中のマテル社・ユニバースについてクライツ氏は、「例えプロジェクトの数が増えても、この種のパートナーシップに対するアプローチにおいて、マテル社は主に“資本の軽量化”を続けて大規模な参加者としてではなく、むしろIP(知的財産)の提供者になることを望んでいます」としている。

またクライツ氏によると、『バービー』の成功のおかげで、マテル社は映画事業以外の分野も開拓できるようになったとのこと。「他の分野の他のパートナーとの会話も変わり、それ以外の分野でも、我社の戦略とポートフォリオの強さに光を当てられるようになりました」と述べた。

マテル社を大きく飛躍させる起爆剤となった『バービー』は公開中。

《Hollywood》
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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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