アブダビ、11のサウンドステージを備えた大規模スタジオ・コンプレックスを建設へ

『DUNE/デューン 砂の惑星』や『ミッション:インポッシブル』最新作などのハリウッド映画、そしてインドの大作ボリウッド映画などが撮影されているアラブ首長国連邦の首都アブダビ。今後国際的なプロジェクトの主要撮影地となる可能性に期待できそうだ。

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アブダビ、11のサウンドステージを備えた大規模スタジオ・コンプレックスを建設へ
Image by wirestock on Freepik アブダビ、11のサウンドステージを備えた大規模スタジオ・コンプレックスを建設へ

アラブ首長国連邦の首都アブダビを拠点とする企業twofour54が、2025年までに大規模なスタジオ・コンプレックス「twofour54 Studios」を建設する計画を発表した。

Deadlineによると、コンプレックス全体の面積は100エーカー(約40万平方メートル)を超え、11のサウンドステージと屋外に設置される水のタンク、6つの汎用スタンディングセットなどの設備が含まれるという。この敷地には、ポストプロダクションや上映室をはじめとする一連の製作施設を備えた、7,000平方メートルのオフィススペースも建設される予定だ。

アブダビは30%の税制優遇措置が導入されたこともあり、大規模な国際的プロダクションにとって、ますます魅力的な目的地となりつつある。これまでにアブダビでは、『DUNE/デューン 砂の惑星』や『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『ワイルド・スピード SKY MISSION』、『ソニック・ザ・ムービー』、最近では『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』などが撮影された。

また、アブダビは地理的にインドに近く、税金還付システムがプロデューサーにとって魅力となっているため、ボリウッド映画のロケ地としても人気を博しており、大都市を舞台にした大作インド映画『Bharat(原題)』や『Tiger Zinda Hai(原題)』などが撮影されている。

よって、スタジオ・コンプレックス「twofour54 Studios」がオープンしたあかつきには、ハリウッドとボリウッドから撮影地として引っ張りだことなりそうだ。twofour54はサウンドステージの建設により、アブダビでの現地ロケだけでなく、国際的なプロジェクトの主要撮影地となる可能性に期待しているとのこと。

twofour54を所有するADNECグループの取締役・マネージングディレクター兼CEOのヒューメイド・マタール・アル・ダヘリ氏は、スタジオ・コンプレックスの建設について、「クリエイティブ産業は経済的にも社会的にも重要な価値を生み出していることから、アブダビの優先分野の一つに挙げられています。我々は、twofour54 Studiosを通じて世界をリードするコンテンツ制作の目的地になるという、アブダビのビジョンを推進できることを誇りに思っています。2025年の完成後は、映画やテレビ番組の製作を次のレベルに引き上げて雇用を生み出し、地元経済に貢献することになるでしょう」と意気込みを語った。

なお、The Hollywood Reporterによると、「twofour54 Studios」の建設発表は、アラブ首長国連邦の隣国であるサウジアラビアが施設とマーケティングに多額の投資をしてきた国の懐の深さに支えられ、国際的な撮影地として台頭し始めたタイミングと重なる。

現在、サウジアラビアの歴史的な地域であるアル・ウラーにスタジオが建設されており、ここでジェラルド・バトラー主演の戦争映画『カンダハル突破せよ』が撮影された。また、同国の超未来的な巨大都市NEOMでも、アンソニー・マッキー主演の新作映画『Desert Warrior(原題)』の大部分が撮影され、将来的にアブダビとサウジアラビアは国際的な映画産業の生産ハブとして、さらに注目を集めることになりそうだ。

《Hollywood》

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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。