アカデミーが “危機管理チーム”を発足、昨年の「ビンタ事件」のような出来事を回避する目的

映画芸術科学アカデミーは、昨年の悪名高い平手打ち事件の再発を含め、起こりうるあらゆる論争に備えつつある。「我々は危機管理チームを持ち、多くの計画を立てている」とアカデミーCEOのビル・クレイマー氏はTime誌に語った。

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94th Annual Academy Awards - Show
Photo by Neilson Barnard/Getty Images 94th Annual Academy Awards - Show

アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは、昨年のウィル・スミスの平手打ち事件の再発を含め、起こりうるあらゆる論争に備えつつある。「我々は危機管理チームを持ち、多くの計画を立てている」とアカデミーCEOのビル・クレイマー氏はTime誌に語った。

昨年、アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞のプレゼンターを務めていたコメディアンのクリス・ロックがウィル・スミスの妻ジェイダについて不愉快なジョークを言った後、スミスがステージに上がりロックの顔面を平手打ちするという予想外の出来事が起きた。その数分後、スミスは『ドリームプラン』でアカデミー賞主演男優賞を受賞した。アカデミーは彼に退席を求めたというが、彼は授賞式に留まった。ロックはこの事件の告発を断念したが、スミスはその後10年間、授賞式への出席を禁じられることになった。そしてスミスは2022年4月1日にアカデミーを辞任し、声明文で「私はアカデミーの信頼を裏切った。他の候補者や受賞者から、祝い祝福される機会を奪ってしまった」とコメントした。

今月頭に行われた2023年のアカデミー賞候補者の昼食会で、ジャネット・ヤン会長は平手打ちへの対応に時間がかかりすぎたことが組織の落とし穴であったことを認めた。「ステージ上で起きたことは到底容認できるものではなく、私たちの組織の対応は不十分でした。この出来事から、アカデミーが行動に責任を持たなければならないこと、そして特に危機の時には、私たち自身と業界のために、迅速かつ思いやりのある断固とした行動を取らなければならないことを学びました」と語っている。今年のアカデミー賞の司会者ジミー・キンメル氏も、授賞式中にこの話題について触れる予定とのことだ。

なお、今年のアカデミー賞は日本時間3月13日(月)にWOWOWにて放送される。

Sources:Vanity FairVariety
《伊藤万弥乃》
伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。