ブラッド・ピットが手がける映画制作会社のプランBエンターテインメント（以下プランB）は、フランスの制作会社メディアワンに株式の60％を売却したと発表した。
この発表は、現地時間9日（金）に行われた。取引の金銭的条件は明らかにされていないが、このニュースを最初に報じたCNBCは、プランBの価値は数億ドル台ではあるが、5億ドル以下と言われていると報じている。
プランBは、10月に初めて資産の売却や投資家を検討する意向を発表しており、今回の売却はここ数年ハリウッド全体で起きているM&Aの波の中で最新の例となる。リース・ウィザースプーンのハロー・サンシャインがCandle Mediaに9億ドルで買収されたことや、ソニー・ピクチャーズ テレビジョンによるIndustrial Mediaの買収、プランBと複数の作品を共に手掛けるA24が2億2500万ドルの投資を受けたニュースがその例として挙げられる。
プランBへの出資は、新たに設立されるメディアワンU.S.を通じて行われ、メディアワンはプランBとフランスの映画監督フロリアン・ツェラーと元CAA幹部のフェデリカ・サンテローズが率いる制作会社、ブルーモーニング・ピクチャーズの双方に重要な株式を保有することになる。
プランBのブラッド・ピット、デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナーは、声明で「我々は20年近くにわたり共に仕事をすることができ、将来に大きな期待を抱いています。私たちの進化の次の章に入り、あらゆるプラットフォーム、ジャンル、メディアを網羅する幅広い映画やテレビシリーズで、ますます世界の視聴者に向けてリーチを最大化するため、このパートナーシップがもたらす可能性に興奮しています」と述べている。
「現在のパートナースタジオ、そして将来一緒に仕事をすることを楽しみにしているスタジオのために、私たちは世界中の視聴者のために新しいコンテンツを制作し続けることを誓います。メディアワンが構築した革新的、芸術的、プロデューサー中心のプラットフォームにより、私たちは、確立された巨匠と私たちを常に興奮させてきた新しい声の両方を持つ、さらに多くのストーリーテラーへの窓を開くことができます 」とのことだ。
プランBは、今年の『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』、『ブロンド』、『花嫁の父』などの高評価の映画や、『ミナリ』、『アド・アストラ』、『ビール・ストリートの恋人たち』などの高評価作品を手掛けている。今後、サラ・ポーリーの『Women Talking（原題）』、ポン・ジュノ監督の『Mickey 17（原題）』、MGMのオリオン・ピクチャーズの『The Nickel Boys（原題）』、MGMとコーリー・フィンリー監督のサンダンスでのプレミア上映が発表された『Landscape With Invisible Hand（原題）』を控えている。
プランBは直近テレビの制作も強化しており、バリー・ジェンキンス監督の「The Underground Railroad（原題）」と「Outer Range（原題）」（いずれもAmazon向け）や、FOX向けの台本なしの「LEGO Masters（原題）」などを手掛けている。ライアン・マーフィーの「フュード/確執 ベティ vs ジョーン」の第2シーズンや、デヴィッド・ベニオフ、D.B.ワイス、アレックス・ウーによるNetflix向けの「Three Body Problem（原題）」にも着手している。
メディアワンは、ラガルデール・スタジオやユーロパコープのフランステレビ部門などのバナーを含む、ヨーロッパを中心に60以上のプロダクションレーベルを所有するフランスの巨大企業。FranceTVやNetflix向けの「エージェント物語」などの番組で知られるが、エミリー・ブラント主演のシリーズ「The English（原題）」でも知られている。映画分野では、ソフィア・ローレン主演の『これからの人生』やジャン・デュジャルダン主演の『Novembre（原題）』のほか、Canal+とSkyで『Django（原題）』、Netflixで『One Day（原題）』などが予定されている。
Source：Indie Wire
