2025年3月2日に開催される第97回アカデミー賞授賞式に向けて新しい規定が発表され、アニメーション映画や作曲賞、脚本賞をはじめとする部門の変更が明らかとなった。Screen DailyやVarietyが報じている。
作曲賞
作曲賞は、今年度よりショートリスト(候補の候補)が15作品から20作品に増え、一作品に3人の作曲家が貢献した場合は、個々にオスカー像が授与されることになった。以前は、作曲家が3人の場合はグループとして見なされていたが、今後は公認のバンドのみグループとして定義されるとのこと。
アニメーション映画の規定
最優秀国際長編部門の対象となるアニメーション映画は、両方の部門の要件を満たしていれば、最優秀長編アニメーション作品としても考慮される。これにより、後者の審査方法が簡素化され、特に該当期間中に米国での配給にアクセスできない国際アニメーション映画に可能性が広がることになる。
脚本賞
脚本賞についてはオリジナルか脚色かを検討するために、最終的に撮影で使われた脚本の提出が必須となる。
長編映画
長編映画は、2024年1月1日から2024年12月31日までに対象となる劇場で公開される必要がある。対象となる米国の6都市は、ダラス・フォート、ロサンゼルス郡、ニューヨーク市、サンフランシスコのベイエリア、イリノイ州シカゴ、ジョージア州アトランタで、そのいずれかで1週間の予選上映を行う。続いて初公開から45日以内に、全米上位50市場のうち10市場で7日間連続、または非連続での上映が条件づけられる。上映劇場としてドライブイン・シアターは認められない。
また、2024年後半に公開され、2025年1月10日以降に拡大公開が予定されている作品は、映画芸術科学アカデミーによる公開計画の審査を受け、2025年1月24日までに公開を完了する必要がある。
さらに、アカデミー賞作品賞の候補になるには、4つの基準のうち少なくとも2つを満たした上で、映画芸術科学アカデミー代表宛てに包摂基準エントリーフォームを提出しなければならない。配給会社や製作チームは映画の初予選上映日までに、受賞決定のためのPGAマーク認定を申請することが推奨されている。
ガバナーズ賞
映画界に貢献した功労者に、アカデミー賞理事会から賞が授与されるガバナーズ賞にも変更があり、作品で映画製作の一貫した質の高さを示したクリエイティブなプロデューサーに贈られるアーヴィング・G・タルバーグ記念賞は、従来のタルバーグの胸像ではなくオスカー像が贈呈されることになった。
ジーン・ハーショルト人道主義賞
映画業界全体の発展に、大きな功績を残した人物に贈られるジーン・ハーショルト人道主義賞の定義が、「人道的な尽力」という広範囲な取り組みを明確にするために、「人道的尽力により人類の福祉を促進し、不公平の是正に貢献することで、映画産業に信用をもたらした映画界の個人に贈られる」と改定された。
ゴードン・E・ソイヤー賞とジョン・A・ボナー賞
科学技術賞として授与される2つの特別賞の名称が、ゴードン・E・ソイヤー賞は科学技術生涯功労賞に、ジョン・A・ボナー賞は科学技術功労賞に改称された。
第97回アカデミー賞授賞式は、2025年3月2日に開催予定。