アドビが映画&TV基金を設立、映画業界で過小評価されているクリエイターの支援が目的

アドビは本取り組みを通して、過小評価されているクリエイターや映画製作者が映画やテレビ業界でキャリアの機会を見つけることを支援することを目指す。

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Photo by Justin Sullivan/Getty Images Adobe

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今年のサンダンス映画祭に先立ち、米コンピューター・ソフトウェア・テクノロジー企業のアドビとアドビ財団が、初となる基金「Adobe Film & TV Fund(アドビ映画&TV基金)」の設立を発表した。

Varietyによると、600万ドル(約8億8,800万円)が投じられる同基金は、助成金や寄付金、フェローシップ、Adobe Creative Cloud製品の寄付などを通じて、映画業界で過小評価されているクリエイターを支援することを目的としているという。エンターテイメント業界でのキャリアや資金、トレーニングの機会における不公平の改善を目指し、「業界の包括性を促進し、何千人ものグローバルなクリエイターのキャリアを直接的に加速させる」ことを目標としている。

アドビ映画&TV基金は、アドビとサンダンス・インスティチュートの長年にわたる協力関係を、さらに深めるものとなる。2015年よりアドビはサンダンスと提携し、18~25歳までの新進映画制作者を支援する通年型のアーティスト育成プログラム「Sundance Ignite x Adobe Fellowship」を立ち上げ、2020年には映画やメディアで大胆な新作を制作する女性アーティストを支援する「Sundance Women to Watch x Adobe Fellowship」を設立した。またアドビ財団も、南カリフォルニア大学演劇芸術学校の美術修士プログラムを通じ、マイノリティの学生のために短編映画の制作を支援するなど、この分野での活動を強化している。

IndieWireによると、アドビ映画&TV基金の第1回フェローシップ・プログラムは全米黒人地位向上協会(NAACP)と提携し、ポストプロダクション業界で多様なクリエイターを増加させることを目指す。特別にカリキュラムが組まれた14週間にわたるフェローシップ・プログラムは、教育とトレーニング、キャリアアップと職場体験に重点が置かれ、新進クリエイターに必要なツールを提供するAdobe Creative Cloudへのアクセスや業界でのメンターシップ、マスタークラスの講義などが用意されている。

NAACPハリウッド支局のカイル・バウザー上級副会長は、「公平性は重要であり、カメラの前と後ろで多様性と包括性を促す解決策を見出すための支援は、権力や権威ある立場にある者の義務です。目に見える影響を与えるアイデアやリソースを提供し、志を同じくするアドビのパートナーとして仕事ができることを光栄に思います」と述べた。

NAACPのフェローシップへの募集は1月18日に開始され、4名のフェローが選出される予定だ。

《Hollywood》
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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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