A24のエイプリルフール企画:『ミッドサマー』に見せかけてアリ・アスター監督最新作『Beau Is Afraid』をサプライズ上映

アリ・アスター監督は、エイプリルフールにニューヨーク・ブルックリンのアラモ・ドラフトハウスで最新作『Beau Is Afraid(原題)』のサプライズ上映を行った。トークショーにはエマ・ストーンも登場。

映像コンテンツ マーケティング
Beau Is Afraid
A24 Press Beau Is Afraid

『Beau Is Afraid』:A24

アリ・アスター監督は、エイプリルフールにニューヨーク・ブルックリンのアラモ・ドラフトハウスで最新作『Beau Is Afraid(原題)』のサプライズ上映を行った。

この作品は、深刻な母親問題を抱える神経質な男・ボー(ホアキン・フェニックス)が、家族の悲劇を乗り越えて家に帰るために幻のような旅に耐えなければならないという物語。旅の途中で、彼は郊外のカップルに誘拐され、PTSDを抱える巨体の退役軍人につきまとわれ、ペンキを飲む10代の少女に脅され、実験演劇団に抱かれることになるなど、衝撃的な内容を含んでいる。

配給会社のA24と映画館チェーンのアラモ・ドラフトハウス・シネマが一般およびプレス向けに企画したこのイベント。この日のチケット購入者は、スウェーデンのカルト教団を訪れた大学院生たちを描いたアスター監督の前作『ミッドサマー』のディレクターズ・カット版を見ることを期待して劇場に足を運んだそう。しかし、エイプリルフールにちなんだ演出で、4月21日の公開を前に『Beau Is Afraid(原題)』を鑑賞する羽目になったとのことだ。

アラモ・ドラフトハウスのTwitterより
『ミッドサマー』の上映を期待していた観客は気に入っていたようだが、約3時間という長尺の作品であり、内容も重厚派と退屈派に分かれるだろうとVarietyは指摘している。この日、アスター監督と一緒に司会として登壇した女優のエマ・ストーンは、「傑作」と称したが「初めて見たときは、その後、処理するのに何時間も必要だった」と話している。

アスター監督は、フェニックスとの共同作業はキャリアのハイライトでもあったそうで「ボーがする危険なことは、すべてホアキンもしたんだ」と話した。梯子から落ちたり、森を突っ切ったり、ガラス戸を突き破るシーンでは彼の脇腹にガラスの破片が残ったと撮影時の様子を語った。また、撮影中にフェニックスは衰弱してしまうほどの肉体的疲労を感じ、ついには気絶をしてしまったよう。このサプライズイベントにはフェニックスも登場したが、Q&Aを見送ることを選択した。

本作はアスター監督の4年ぶりの新作となっており、今回のエイプリルフールサプライズは話題性も含め、アスター監督の作品への期待をより高めるものになった。

Another Source:IndieWire
《伊藤万弥乃》

関連タグ

伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

編集部おすすめの記事