2023年ストリーミング配信の契約数は増加、広告分野はオンライン動画が大幅リードとの予測をOmdiaが発表

Content Americasにて、英調査会社のOmdiaがオンラインビデオ配信サービスに関する調査結果を発表。2023年にストリーミング配信の契約数は1億4,300万人増加すると予測を発表した。また、2027年までの今後5年間では5億人の加入者がプラットフォームに加わると予測している。

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2023年ストリーミング配信の契約数は増加、広告分野はオンライン動画が大幅リードとの予測をOmdiaが発表
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Content Americasにて、英調査会社のOmdiaがオンラインビデオ配信サービスに関する調査結果を発表。2023年にストリーミング配信の契約数は1億4,300万人増加すると予測を発表した。また、2027年までの今後5年間では5億人の加入者がプラットフォームに加わると予測している。

2023年の予測は、2億8,000万人の加入がみられた2020年のロックダウンのピーク時の半分となっている。しかし、2023年の1億4,300万という予測値は、2017年から2019年に比べると良い数字だとOmdiaのシニアディレクター、ルア・アグエテ氏はVarietyに語っている。

ルア・アグエテ氏の分析によると、「純増加入者の10%はラテンアメリカ出身で、2023年には14%になる」そうで、これは1,850万人の追加加入者に相当する。これは、主要なプラットフォームで制作されるラテンアメリカのコンテンツが大幅に増加したことによると考えられる。Omdiaの発表によると、2022年にすべてのプラットフォームで放送されたラテンアメリカのオリジナル作品は127本となっており、これは、2019年の60本、2020年の73本、2021年の70本と比べても、好ましい結果と言える。

また、ルア・アグエテ氏は「2023年はオンライン動画広告の収益が2,210億ドルに達し、他のすべてのメディア分野を追い抜く年になるだろう」と述べ、「すべてのメディアでナンバーワンの収益を上げるセグメントになるだろう」と付け加えた。YouTubeは、アメリカ、メキシコ、ブラジルの35 歳未満と 35 歳以上のグループの月間ユーザー数でNo.1の動画サービスとなっている。

TikTokは、アメリカのヒスパニックと35歳未満のメキシコ人において、Netflixを抑えて2位となった。また、35歳以上ではトップ10にランクインしており、一定規模以上のプラットフォームは、コア層以外にも大きなユーザベースを持つことが証明されている。米国のヒスパニック人口の上位のビデオ サービスを掘り下げてみると、広告付無料動画配信サービスの Tubi がランクインしていることが分かった。これは、サービス内の5%がスペイン語の作品であることが理由として考えられる。

プレゼンテーションの最後には、FAST (Free Ad Supported Television)セクターの概要が紹介された。アメリカ内だけでも1,500以上のFASTチャンネルがあるため、扱いにくい分野ではあるが、昨年の40億ドルから今後5年間で120億ドル以上まで収益が伸びるとも予測されている。ラテンアメリカ市場については、ルア・アグエテ氏は「ブラジルは2027年までに1億ドルの収益を達成し、ラテンアメリカのFAST市場全体の約半分を占める 」と予測している。

さらにパスワードの共有について、35%から50%の人がプラットフォームでのパスワードの共有(複数人でのアカウント共有)を望んでいると述べた。Netflixの締め付けが始まることになったことも挙げ、これがどのように数字に表れるのか、また競合他社がどのように対応するのか、興味深く見守っていくとのことだ。

《伊藤万弥乃》
伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。