『ホールドオーバーズ』『アメリカン・フィクション』ほか、脚本家の功績をたたえるWGA賞を受賞

2023年度のアワードシーズンを締めくくる、全米脚本家組合賞の授賞式が行われ『アメリカン・フィクション』『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』「メディア王~華麗なる一族~」「THE LAST OF US」などが受賞。ストライキ後初の授賞式で、ニーシー・ナッシュ=ベッツらが活動を讃えた。

グローバル アワード
2024 Writers Guild Awards Los Angeles Ceremony
Photo by Rodin Eckenroth/Getty Images for Writers Guild of America West 2024 Writers Guild Awards Los Angeles Ceremony

現地時間4月14日(日)、第76回全米脚本家組合(WGA)賞の授賞式が行われた。

通常アカデミー賞の前哨戦としても注目を集めるWGA賞だが、今年の授賞式はストライキの影響でアカデミー賞の1ヵ月以上あとに開催。西海岸ではハリウッド・パラディアムにて、東海岸ではニューヨークのエジソン・ボールルームにて、毎年恒例のイベントを通じて行われた。

映画部門で最優秀脚色賞を受賞したのは、アカデミー賞でも脚色賞に輝いた『アメリカン・フィクション』。最優秀脚本賞は『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』が受賞した。

TV部門では、最優秀コメディシリーズ脚本賞を「一流シェフのファミリーレストラン」、最優秀ドラマシリーズ脚本賞を「メディア王~華麗なる一族~」、新シリーズの最優秀脚本賞を「THE LAST OF US」、最優秀リミテッドシリーズ脚本賞を「BEEF/ビーフ」が受賞。さらに子供向けエピソード・長編・特別番組では、実写版「ONE PIECE」の第1話「ROMANCE DAWN」が表彰された。

WGAにとって今回がストライキ後初となる授賞式となり、西海岸側の授賞式で司会を務めたニーシー・ナッシュ=ベッツ氏は「私たちは、平等な賃金、平等な発言権、そして10エピソードのシーズンを最後までやり遂げる権利のために戦いました」とコメント。またストライキの間、WGA会員に何百万ドルもかけて無料の食事を提供したドリュー・キャリー氏が登場し、ロサンゼルスの聴衆からスタンディングオベーションを浴びた。

一方ニューヨークでは、国際舞台従業員同盟(IATSE)、チームスターズ、映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)、米国音楽家連盟のメンバーとリーダーにリチャード・B・ジャブロー賞が贈られた。

受賞作品一覧

🌟オリジナル脚本賞

  • 『AIR/エア』
    アレックス・コンヴェリー

  • 『バービー』
    グレタ・ガーウィグ、ノア・バームバック

  • 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』 ★受賞
    デヴィッド・ヘミングソン

  • 『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
    サミー・バーチ(原案:サミー・バーチ、アレックス・メカニック)

  • 『パスト ライブス/再会』
    セリーヌ・ソング

🌟脚色賞

  • 『アメリカン・フィクション』 ★受賞
    コード・ジェファーソン

  • 『神さま聞いてる? これが私の生きる道?!』
    ケリー・フレモン・クレイグ

  • 『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
    エリック・ロス、マーティン・スコセッシ

  • 『ナイアド その決意は海を越える』
    ジュリア・コックス

  • 『オッペンハイマー』
    クリストファー・ノーラン

🌟ドラマシリーズ脚本賞

  • 「ザ・クラウン」
    ピーター・モーガン

  • 「THE CURSE/ザ・カース」
    カルメン・クリストファー、ネイサン・フィールダー、アレックス・ハギンズ、キャリー・ケンパー、ベニー・サフディ

  • 「ザ・ディプロマット」
    イーライ・アッティ、デボラ・カーン、ミア・チョン、アンナ・ハーゲン、アマンダ・ジョンソン=ゼッターストローム、ピーター・ノア

  • 「THE LAST OF US」
    ニール・ドラックマン、ハリー・グロス、クレイグ・メイジン、ボー・シム

  • 「メディア王~華麗なる一族~」 ★受賞
    ウィル・アーベリー、ジェシー・アームストロング、ミリアム・バティ、ジョン・ブラウン、ジェイミー・キャラガー、テッド・コーエン、ネイト・エルストン、フランチェスカ・ガーディナー、カリー・ハーシュウェイ、ルーシー・プレブル、ジョージア・プリチェット、トニー・ロッシュ、スーザン・スーン・ヒー・スタントン、ウィル・トレイシー

🌟コメディシリーズ脚本賞

  • 「アボット エレメンタリー」
    キンタ・ブランソン、エヴァ・コールマン、ライリー・デュフレーナ、ジャスティン・ハルパーン、ジョヤ・マクロリー、モーガン・マーフィー、ブリタニ・ニコルズ、ケイト・ピーターマン、ブライアン・ルーベンスタイン、パトリック・シュマッカー、ジャスティン・タン、ジョーダン・テンプル、ギャレット・ワーナー

  • 「バリー」
    エマ・バリ、アレック・バーグ、ダフィー・ブードロー、ビル・ヘイダー、ニッキー・ハーシュ、タオフィク・コラデ、リズ・サーノフ

  • 「一流シェフのファミリーレストラン」★受賞
    カレン・ジョセフ・アドコック、ジョアンナ・カロ、ケリー・ガルスカ、レネ・グベ、ソフィア・レヴィツキー=ワイツ、ステイシー・オセイ=カフール、アレックス・ラッセル、キャサリン・シェティナ、クリストファー・ストーラー 

  • 「ジュリー・デューティ-~17日間の陪審員体験~」
    タナー・ビーン、リー・アイゼンバーグ、マルコス・ゴンザレス、コディ・ヘラー、メッキ・リーパー、カトリーナ・マシューソン、ケリー・オニール、エセ・ショウ、ジーン・スタプニツキー、アンドリュー・ワインバーグ、エヴァン・ウィリアムズ

  • 「マーダーズ・イン・ビルディング」
    マッテオ・ボルゲーゼ、マドレーヌ・ジョージ、サス・E・ゴールドバーグ、ジョシュア・アレン・グリフィス、ジョン・ホフマン、エレイン・コ、ノア・レヴィーン、テス・モリス、J・J・フィルビン、ベン・フィリップ、ジェイク・シュネゼル、ベン・スミス、シエナ・ストリーバー、ピート・スワンソン、ロブ・ターボフスキー

🌟新シリーズ脚本賞

  • 「ザ・ディプロマット」
    イーライ・アッティ、デボラ・カーン、ミア・チョン、アンナ・ハーゲン、アマンダ・ジョンソン・ゼッターストローム、ピーター・ノア

  • 「ジュリー・デューティ-~17日間の陪審員体験~」
    タナー・ビーン、リー・アイゼンバーグ、マルコス・ゴンザレス、コディ・ヘラー、メッキ・リーパー、カトリーナ・マシューソン、ケリー・オニール、エセ・ショウ、ジーン・スタプニツキー、アンドリュー・ワインバーグ、エヴァン・ウィリアムズ

  • 「THE LAST OF US」 ★受賞
    ニール・ドラックマン、ハリー・グロス、クレイグ・メイジン、ボー・シム

  • 「ポーカー・フェイス」
    クリスティン・ボイラン、ワイアット・ケイン、クリス・ダウニー、CS・フィッシャー、ライアン・ジョンソン、アリス・ジュ、ジョー・ローソン、ナターシャ・リオン、チャーリー・ペッパーズ、リラ・ズッカーマン、ノラ・ズッカーマン

  • 「シュリンキング:悩めるセラピスト」
    ウォーリー・バラム、ラシュナ・フルシュボム、ブライアン・ギャリヴァン、ニール・ゴールドマン、ブレット・ゴールドスタイン、ビル・ローレンス、アニー・メベイン、ビル・ポズレー、ジェイソン・シーゲル、ソフィア・セリグ

🌟リミテッドシリーズ脚本賞

  • 「マーダー・イン・ザ・ワールドエンド」
    ザル・バトマングリ、シェリー・ディマライン、ブリット・マーリング、メラニー・マルニッチ、レベッカ・ローンホース

  • 「BEEF/ビーフ」 ★受賞
    ジョアンナ・カロ、バシェバ・ドラン、ジャン・キョン・フレージャー、ニコ・グティエレス=コヴナー、イ・ソンジン、アリス・ジュ、キャリー・ケンパー、マイク・マコウスキー、マリー・ハンホン・グエン、ケヴィン・ローゼン、アレックス・ラッセル

  • 「デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃」
    スーザン・コイン、ジハン・クラウザー、ハリス・ダナウ、シャメイン・デグラテ、ウィル・グレアム、ノーラ・カークパトリック、ジェニー・クライン、リズ・コエ、ジュダリーナ・ネイラ、スコット・ノイシュタッター、ステイシー・トラウブ、マイケル・H・ウェバー

  • 「FARGO/ファーゴ」
    トーマス・ベズーチャ、ボブ・デローレンティス、ノア・ホーリー、エイプリル・シー

  • 「レッスン in ケミストリー」
    ビクトリア・バタ、リー・アイゼンバーグ、ハンナ・フィデル、エミリー・ジェーン・フォックス、スザンナ・グラント、ローザ・ハンデルマン、エリッサ・カラシク、ブー・キルブルー、ムフォニソ・ウドフィア

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《伊藤万弥乃》
伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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