TOHOシネマズ、独占禁止法第19条の規定に違反の疑い 公取委に改善計画を提出・認定

公正取引委員会は、TOHOシネマズに対して独占禁止法の規定に基づき審査を行ってきたところ、同社のいくつかの行為が独占禁止法第19条の規定に違反する疑いが認められたと発表した。同社は公正取引委員会に改善計画を提出。承認を受けた。

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TOHOシネマズ、独占禁止法第19条の規定に違反の疑い 公取委に改善計画を提出・認定
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公正取引委員会は、TOHOシネマズに対して独占禁止法の規定に基づき審査を行ってきたところ、同社の後述の行為が独占禁止法第19条(不公正な取引方法第12項(拘束条件付取引))の規定に違反する疑いが認められたと発表した。

TOHOシネマズは、遅くとも平成28年11月頃以降、自社に映画作品を配給する配給会社に対して、下記のいずれか又は複数を求めることによって自社を他の興行会社よりも有利に取り扱うよう要請するとともに、当該要請に従わない場合には今後当該配給会社に係る映画作品の上映に応じない旨などを伝えていたとのことだ。

⑴ 配給会社が限定作品とする映画作品について、当該配給会社は
・当該映画作品のメイン館を決定しようとする場合に行うオファーに関しては、原則として、興行会社の中でTOHOシネマズを最初のオファーの相手方とする。
・当該映画作品のメイン館を他の興行会社の運営する映画館とすることに決定しており、かつ、メイン館系映画館(当該メイン館を含み、TOHOシネマズ系映画館を除く。以下同じ。)に加えて、当該メイン館系映画館以外の映画館における上映も予定している場合に行うオファーに関しては、上映を予定している地域ごとに、当該地域に所在するメイン館系映画館を対象とするオファーの次に、TOHOシネマズに対して当該地域に所在するTOHOシネマズ系映画館を対象とするオファーを行うなどすること。

⑵ TOHOシネマズ系映画館がメイン館となった映画作品について、TOHOシネマズが指定した他の興行会社の運営する映画館へのオファーを見合わせるなどすること。

※出典:公正取引委員会ホームページより

公正取引委員会は、TOHOシネマズによって当該行為を排除するための措置が速やかに実施されることにより競争の早期回復が図られると認め、令和5年6月28日に同法第48条の2の規定に基づき、同社に対し確約手続に係る通知を行ったという。

そして今回、TOHOシネマズから公正取引委員会に対し、同法第48条の3第1項の規定に基づき、違反被疑行為を排除するために必要な措置の実施に関する確約計画の認定を求める申請があったとのことだ。確約計画には従業員の周知徹底や公正取引委員会への報告義務などがまとめられている。公正取引委員会は、この当該確約計画は当該行為を排除するために十分なものであり、その内容が確実に実施されると見込まれるものであると認め、同法第48条の3第3項の規定に基づき、当該確約計画を認定した。

《Branc編集部》